八月十五夜🌕

10月6日(月) 旧暦八月十五日

沖縄の行事食 フチャギ(吹上餅)

沖縄の行事料理p43より

 旧暦の八月十五夜は中秋の名月とも言われるように、一年中で月がいちばん美しい時期である。                                    各家庭では、小豆をまぶしたフチャギ(吹上餅)を仏壇や火の神に供える習わしがある。       本土の農村地域では、収穫したばかりの芋や豆類を神に供える習わしがあって、別名「豆名月」「芋名月」ともよばれている。沖縄でもフチャギに小豆が使われるので、本土の豆名月とも無関係ではないようである。
 フチャギには、サンニン(月桃)や芭蕉、ユウナ(おおはまぼう)の葉など用いられる。昔、焼き物が素焼のころ、餅の粘着を避けるために使われたとされ、葉のなめらかなものや香りのよいものが選ばれた。植物の移り香がほのかに漂うフチャギは十五夜ならではの餅菓子になっている。

著者:学院長 松本 嘉代子